『関門とんねる物語』田村喜子 著

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関門とんねる物語』田村喜子 著

 関門海峡にはJR(鉄道)・国道2号線(上部は人道で人が通れ下部は車道)・新幹線の3つのトンネルが通っている。その一番最初に開通したトンネルが関門鉄道トンネル(世界最初の鉄道海底トンネル)と言うことで、そのトンネルの起工(もちろんその前の地質調査の段階)から貫通までを収めた物語。もっと狭めて言うと下関側から掘ったことにスポットが当たっている。


 フィクションかノンフィクションかはわからなかったけど、トンネル工事中の様子が少しでもかいま見れたのが良かった。国内で初めてのシールド工法だそう。

 名の通り海底下の土の下を掘って進むわけだが、頭上では船の進む音まで聞こえてき、その種類まで分かると言うのだから、なんともおぞましい現場だったろう・・・。湧水や土圧に対抗するべく現場の空気は加圧され、その加圧され漏れた空気が、関門海峡海上で小豆大の泡になって現れていたというから、その状態にも驚く。すさまじい現場。

 当時技術も資料も手探りだったよう、でもそれが今の海底トンネルの土木技術のアップにつながり青函トンネルにも活かされてるとのこと。関門鉄道トンネルは戦前の昭和10年代に開通しているというのだから、なお驚く。地質調査序盤はなかなかページが進まなかったけど着工から貫通までは結構早く読めた。約210p


2005 Oct 27 , 18:22 | 本とかのレビュー | 固定リンク | コメ (0) | TB (0)
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